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子供たちを物乞いにしない、ぼられないようにするには

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 彼らはめぐんであげる人達ではない。そして特に子供たちにはそれを分かって欲しい。ネパールのカトマンズを回っていたとき、スワヤンブナートという仏教寺院でチベット系の少年が近づいてきた。鼻水を垂らして服はみすぼらしい。私の自転車を見張っていると言う。自転車が盗まれないように見張っているのは立派な仕事だ。

「ちゃんと見張ってろよ」

と答えた。もちろん後で金をあげるつもりだった。少年はしばらくたってもずっと自転車の前で待っていた。寺院の上に私の姿が見えると嬉しそうに手を振った。結局,寺院でスープを配る時間が来て彼は消えてしまい、金は渡せなかった。しかし、実際は見張りなど要らないのだ。チェーンで鉄柱にまきつけるだけで十分だ。彼が見張っていると言ったので任せた。彼の働こうとする意欲を買ったのだ。ただ金をくれと言ったら、追い返していた。働いてもいないのに金をやれば、彼は物乞いになる。人からめぐんでもらうのを待つだけの生き方を覚えてほしくない。

 

ぼられないようにするには

 では、こちらのプライドとして、ぼられないようにするにはどうすればよいか。それにはまず相場を知っておくことだ。国の相場、そして町の相場を。同じ国でも町によってふっかけかたは違う。例えば、(当時)タイのミリンダジュースの値段は、カンチャナブリーでは現地人に少し上乗せするくらいの十二~十五バーツ、バンコクでは二十五バーツ、ナコーン・パトムでは三十五バーツといった具合だ。そのためには、まずバックパッカー同士で情報交換をする。それから、宿泊先の主人や従業員に聞く。他の人達にも儲けさせるために高めにいう人もいるが、半分以上の確率で自分の客には正確な情報を教えてくれる。ツーリストインフォーメーションで情報を仕入れるのもいい。それから自分の足で店を数件回って値段を比べたり、現地の人がいくらで買っているかを眺めたりする。これらの方法で、リクシャーやタクシーの運賃、ミネラルウォーター、ジュースの値段などのよく使うものからその国、その町の物価水準を計ればいい。相場が分かっていれば、「私は値段を知っている」と言えるので、相手もふっかけられない。それから、一つでその値段か二つでなのか(リクシャーなら一人でその値段か二人以上でも一回の乗車でか)、単位は現地通貨かドルか、買うものに異常はないか(ミネラルウォーターの蓋は開いていないか。開いていれば水道水をつめている)等を購入を決める前に確認する。そして、現金のやりとりの時には、こっちから渡す金はいくらかをちゃんと見せ(あとから足りないなどと言われないため)、つりは、受け取ったその場、相手の見ている前で、正確かを確認する。もし、幾らか見当がつかないならば、相手は必ず多めに言っているのだと思い、鵜呑みにせず値切る。何処まで値切れるかは、その国の感覚を身につけていればそれなりの予想はできる。例えば(当時)タイではふっかけ方はせめて三倍位だが、ベトナムでは十倍は平気でやってくるとかである。しかし、感覚が分かっていなくても、とりあえず思い切り値切ってみてもこちらは損をすることはない。利益がないくらいに値切れば、向こうは真剣にそれでは駄目だと言うか、怒りだすだろう。

 ‘こんなことやってられないよ’とか、‘本当にここまで必要なのだろうか’とか多くの人は思うだろう。でもやっぱり必要なのだ。日本の文化が特殊なのである。相手は、日本人はなんでもすぐに払ういいカモだと思っている。同じ旅行者でも日本人用の値段が設定されていて、欧米人よりも高くなっている。日本人は値切るという感覚が他国より身についていないし、主張も弱い(もちろん人によって違いはある。日本でも関東と関西は異なる)。欧米人で極端な人などは、タクシーを捕まえて値切るのではなく、自分の言い値を受け入れるタクシーをひたすら探していた。ここまでいかなくても日本人はカモだと思われるのは悔しいから、粘り強く値切って欲しいと思う。