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よくある手口~良い情報を教えます

 同じクアラルンプールの街頭で「今、何時ですか」と、日本語で尋ねてきた野郎(男だと態度は変わるのだ)がいた。私を見つけるや待っていたかのように出てきた。これは集団ひったくりの手口である。こうやって一人が注意を引きつけておいて他の奴らがひったくる、というよくあるパターンである。わざとらしい出かたと、周りへの目配せで、すぐに気づいた。こういう奴は無視して構わない。早歩きで立ち去ることだ。

 

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 タイでも典型的なパターンで私をひっかけようとした奴らがいた。公園のベンチに横たわって休んでいたとき、離れたところから様子をうかがっていた集団がいた。そのうちに、起き上がった私を見て、一人が何気なく近づいてきた。こいつはまず英語で時間を聞いたあと、「旅行しているんですか」とか、「どこに行くんですか」とか、「どこの国の人ですか」なんて聞いてきた。「何人だと思う」と逆に聞くと、フィリピンだとかベトナムだとかネパールだとか言ってきた。「日本人ですよ」と答えると、

「えーっそうは見えませんでした」

とわざとらしく驚いた。このざーとらしい態度ですぐにこいつの狙いが分かった。金持ちであるはずの日本人を的にした詐欺かなんかだ。

「私はいろんな国の人と友達になりたいんです」

などと調子良く語っている。なんとか大学の学生です、と頼んでもいないのに学生証を出してきたが、大学名、氏名など肝心なところは指で隠して、さっとひっこめた。ばかな奴だ。さらには、

「沢山外国の友達がいます」

と新聞に書かれたいくつかの住所、氏名を出してきた。油断させる手である。私も適当に書いてやった(詐欺県泥棒市注意町とでも書いておけば、不用心な日本人を助けることができたのだが)。そしてやっと彼の本題に入ってきた。

「いい情報を教えます。岡の向こうで宝石を売っているんです。普通は一般の人には売らないのですが、あなたはラッキーです。一年で今日だけ、一般の人に安売りしているんです」

と。ガラス玉を高値で売りつけるか、ひと気のないところに連れていき取り囲んで身ぐるみ剥がす気だろう。こんなんでひっかかるなんてそれこそ一年に一人しかいないだろう。

「宝石なんていらない」

と断ると、仲間の方にすごすごと帰っていった。