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無理をするか、ぶらぶらするか ~全人代が開幕した天安門広場

 疲れていたら環境の変化や慣れない食べ物に順応できない。このことは東南アジアのバックパッキングで身を持って知っていた。その時は、無理なスケジュールで各国各地を歩き回り、発熱すること三度、そのうち一度は高熱のため立ち上がることさえきつい状態だったし、またもう一度は水溶性の下痢を併発し、一度眠ったらそのまま二度と起きられないのじゃないか、と恐怖を感じるくらい一時は衰弱した(これは症状からして軽いチフスだったろう、と勝手に思っている)。

 だから、東南アジアよりきっとハードであるに違いないインドを廻る今回は、無理をせず十分な体力を保ったままでいたかった。しかし、実際は仕事やら寝不足やらで体力を最初から落として、インドに行くこととなってしまった。

 東南アジアの時にどれだけ無理に動き回ったかというと、四十数日間で六カ国の十二の町に宿泊し、寝台列車も使い、時には空港で雑魚寝もした。そして、日中は休む暇なく歩き回った。多くのもの見ることはできたのだが、その結果何度も体を壊すことになったし、ぶらぶらしているうちに何かが起こる、という楽しみ方は少なかった。

 それでは、ひたすらぶらぶら過ごす日々にするか。これは、まさにインドでの正しい過ごし方といえるかもしれない。

 しかし、北京でぼりぼり栗なんか頬張りながら、ぶらぶら裏道を歩いて過ごしたことはあるのだが、そもそも刺激を求めて旅をしているのだから後悔することがあった。

 

 

全人代が開幕した天安門広場

f:id:koyoblog:20170512005320j:plain ぶらぶらしながら延ばし延ばしになっていた毛首席紀念堂に最終日に向かってみたら、天安門広場近辺はなんだか警備が厳重でものものしい雰囲気になっていた。ロープが張られて通れなくなった道があったし、何よりも銃をもった警備兵がわんさかいて、目つきが殺気立っている。前日まで警備兵に

「北京動物園の入口はどっちですか」

なんて尋ねていたのに、その日は、ぎろりと睨み付けて、私を上から下までよーく見定めた。どうやらその日から全国人民代表大会が始まったらしかった。そして、警戒のために、人民大会堂近くの毛首席紀念堂も立入禁止となってしまった。

 計画を立てなかったために、万里の長城の次に見たかった毛沢東の遺体を見損なった。間抜けだった。

 

 時間が限られているからといって、ハードに計画を立てすぎても無理があるし、時間が限られているから、ぶらぶらとばかりしていると見たいものも見損なう。

 そこで今回は、訪れる町を絞ってインドの北側を列車で移動しようと思った。 

 しかし、インドは予定通りことが運ぶところではない。まったく自分の思った通りに動けない。とんでもない目に合うことになるのだが、この時はそんなこと思いもよらなかった。好き勝手にうまくいっている様子を想像して、‘病気をしないで行きたいところは回れそうだ’と自己満足に浸っていた。