目的地へ行こう

まだたどり着いていない人のブログ。

別世界のコンノート・プレイス

 駅はごったがえしていた。そこら中に人が座っている。インドでも休暇の時期なのだそうだ。寄ってくる闇両替や物乞いを受け流して、二階の外国人用の窓口に行った。だが、やはり空席はなかった。こうなったら飛行機しかない。とにかく東に向かわぬことには話にならない。カルカッタからデリーに戻る航空券だけとってしまったのだから。

 その航空券代を支払うためには、銀行で両替の必要もあったし(闇両替は使わないことにしていた。僅かに率が良いだけで、いかさまをされる可能性などのデメリットが大きいからだ)、コンノート・プレイスにある航空会社のオフィスに向かうことにした。

 コンノート・プレイスは同心円状に広がる、オフィス、高級店が集まる場所だ。近代的な建物が並ぶこの近辺だけ、ニューデリーの中で浮いている。各ブロック、各高級店には迷彩服の警備兵がライフルを持って警戒にあたっている。両替の後、彼らにインド航空の場所を聞いたが分かる人は一人もいなかった。ある人は英語が分からず、ある人は場所が分からず、またある人は適当な所を教えた。暑い中をあっちこっち歩き回って、汗はどんどん流れる。コーラ、ミリンダといったジュースを五本は飲んだ。外国人には十ルピーが相場だが、五、六ルピーという現地人と同じ値段で売ってくれるおっさんがいて、得した気分でがぶがぶ飲んだ。

 そんなこんなしているうちにインド航空はやっと見つかった。だが、ヴァラナスィー行きの今日の便はもう一杯だった。明日に行くのではカルカッタもとても短くなってしまう。もはやガンジス川の沐浴を見るのは諦めるしかなかった。やはり旅は予定通りに進まないものだ。どうにか空いていた翌日のカルカッタ行き最終便に乗ることにした。

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 ここで十二時をまわっていたので、ファーストフードで昼飯を食べた。サイババのいる店や満面笑みの主人のいる店とは全く違う世界だ。綺麗な服を着たウェイターが食事を運び、綺麗な服を着た上流階級の人たちが上品に食べている。汚い店に出入りする小賢しく抜け目のない連中は、相手がどういう人間かまず見定めようとする。金を持っているか、何か欲しがっていないか、だましやすい奴なのか。しかし、ここにいる人たちは周りにどんな人間が座っていようと構わない。好奇心で一杯の目をした女の子が、ちらちら見ているだけだ。警戒心を解いてゆっくりと一服できる場所だった。