目的地へ行こう

まだたどり着いていない人のブログ。

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ダムダム空港

 タクシーのおじさんに八十五ルピー渡し、釣りは受け取らずにダムダム空港に入った。デリーから到着したときは気づかなかったが、空港は結構綺麗で感じが良かった。カウンターのお姉さんはとても親切だった。朝の光が差し込み、人もまだまばらですっきりしていて、温度もちょうどよく、快適だった。

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 しかし、荷物検査は不快だった。

「カメラのシャッターを押しなさい」

なんのことだかよく分からないが、私の足に向けて写真を一枚撮った。

「カメラの電池を出しなさい」

これもなんのことだかよく分からないが、従うしかない。しかし、出そうとしてもなかなかうまく取り出せなかった。

「もういい。バッグを開けなさい」

拳銃をぶら下げた係員は懐中電灯を引っ張りだした。そして、乾電池を取り出して、なんといきなりごみ箱へぶん投げた。

「何やってんだよ!」

係員は反抗的な私を睨み付けてからそっぽを向いた。

「どういうことだよ。色んな国の空港に行ってるけど、こんなことされんの始めてだぞ。カルカッタだけだ、こんなの!」

虚しき抗議はまったく聞き入られなかった。一体どういうことだ。

 係員は、‘あれを見ろ’と表示板を指さした。箇条書きで何やらいろいろ書いてあって、その中に“乾電池はもちこめない”とあった。思うに、きっと爆弾を警戒してのことだ。そんなに物騒なのか、カルカッタは。薬を打っている奴はいた。共産党が赤旗を振り回して走っていた。前者はともかく、後者が問題なのか。それとも他のゲリラか、過激派か、はたまた宗教対立に根を持つ何かか。よくは分からないが、様々な問題を孕んだ町であったようだ(当時)。

 町は物騒だったが、飛行機はそんなことを感じさせない、まったくの別天地だった。というのも、今までになかった程、スチュワーデスが美人揃いだったのだ。インド人は目鼻立ちがはっきりしていて美人だ、と言うのは何度か聞いていたし、写真や映像を見れば、美人だろうというのは分かっていた。しかし、実際にインドに入ると、巨大化した人が多くとても美人と呼べるどころではなかった。だが、始めて‘これは美人だ’という人を見た。しかも三人。やっぱり目鼻立ちがはっきりした美人だ。

 なお、男の方は注目していないので書くことはないが、背はアジアが低く中でも東南アジアが低い。その点でも私は東南アジアの人に同化し、現地人に間違えられる。