目的地へ行こう

まだたどり着いていない人のブログ。

【スポンサーリンク】

バックパッカー-旅は帰ったときのために

山羊

その時丁度、儀式の始まりを告げる太鼓が打ち鳴らされた。人が儀式場の回りに集まってきた。儀式場といっても、二十センチ位の低い石に囲まれた六畳程のコンクリートスペースだ。そこに二十センチ位離された高さ一メートル程の木材が二本立てられている。そ…

カーリー寺院

人リクシャーを捕まえて、地下鉄のパーク・ステーションに向かった。朝のこの時間には、水を浴びる人がそちこちで見える。これはネパールでもそうだった。そして何故そちこちで見えるかといると、道端で浴びているからだ。歩道の途中にいきなり井戸があって…

働いてお金をもらってはいけない、という教え

外に出て、辺りをうろうろしていると、さっき道案内をしてくれた少年がいた。 「彼女に会えた?」 「ああ、君のおかげだ。ありがとう」 そして、写真などを撮りながら少年と話をしていたが、そのうち彼は言いづらそうにしながら切り出した。 「お母さんが病…

マザー・テレサ

修道女の多くは中庭で洗濯を始めた。そして数人は礼拝場に戻って、読書を始めた。私も折角だから礼拝場で静かに座禅でも組んでみることにした。 過去のことを考えてみようと思った。折角だから。自分の罪深い人生を省みるなんてことはしたこともないし、これ…

マザー・テレサが現われた

マザー・テレサは現れた。後ろを振り返ると、旅行者の一人一人に記念品を手渡して歩く彼女がいた。間違いなく‘マザー・テレサ’だ。やっと彼女に会うことができた。 偉大な人、マザー・テレサ。しかし、彼女は小さい。そしてかなりの高齢だ。山折先生は、彼女…

ミッショナリーズ・オブ・チャリティ

そのマザー・テレサはカルカッタにいる。しかも、朝の礼拝の時間に行けば、その姿を見られるらしい。早起きしてタクシーに乗り込んだ。五分程で、大きい教会の前に着いた。運転手は指さして、 「マザー・テレサ」 と言った。だが、入ってみればその教会には…

祈る、とは

マザー・テレサ。多くの人がその名を知っているだろう。旧ユーゴスラビアからやってきて、修道会‘ミッショナリーズ・オブ・チャリティ(神の愛の宣教者たち)’を創設した。路上で死んでいく人々が人間らしく静かに死を迎えられるように、施設を提供している…

綺麗な町

歩いてニューマーケットの方をぶらついてみた。Timestarから二百メートル程の所だ。そこは色々な小店舗が立ち並ぶ、庶民的な繁華街だった。カセットテープ屋、サリー屋、路上の風船屋。目が会えば、‘見ていけよ’と合図する人もいたが、声をかけてくる人は誰…

洗濯

外はすっかり暗くなっていた。Timestarに向かう細い道に入った。そこには何やらうごめく影。闇に紛れたインド人たちだ。一人の白目が月に反射して輝いた。憎しみに満ちた目が、じっとこちらを見据えた。いつものように、なに食わぬ顔で、胸を張り、足早に通…

多様な人々

カルカッタで中心的な道路となるチョーロンギー通りには、地下鉄が走っている。カルカッタを動くには、この地下鉄を使うとすごく便利だ。サダル・ストリートの近くにはパーク・ストリート駅があった。まずは、その駅に向かった。 Timestarからは二分も歩けば…

鉄格子の部屋に泊まる

Timestarのこの安い部屋に居座るならば、トイレは耐え得るものであるかどうか見極めねばならない。今は悪臭を放っている。しかし、まずは百二十の部屋が空くまでだ。それなら問題はない。 「とりあえずここでもいいよ」 そう言うと使用人は下に戻って行った…

悪臭

Timestarは細い道からさらに奥に入った所にあった。ドアなどない。でかい入り口の目の前がフロントだった。そこにはターバンを巻いたでかい男が座っていた。落ちつきはらって、わずかにこくりと頷いた。貫祿がある。 「部屋を探している」 「どの位の部屋が…

注射器

なんとも寝苦しい夜だった。窓を開けたが、六階の部屋でもわずかな風すら吹いていない。シャワーを浴びてすっきりさせたが、それもカルカッタの湿気には無駄な抵抗だ。頭を拭いている間に、体は汗が混じってますます濡れた。 部屋は、値段が高いだけあって広…

暗闇~その2

町らしき明かりが見えて来たときは、正直ほっとした。まだ開いている食堂があった。大丈夫だ。何とかなる。もう少しで無事宿を見つけるだろう。ようやく自分の一時間後が想像できるようになってきた。そんなとき、町の明かりが通りで蠢くものを薄く照らした…

暗闇~その1

飛行機がカルカッタのダム・ダム空港に着いた頃は、夜十一時を回っていた。急がねば。当然のことだが外は真っ暗だった。そして、‘むっ’とした空気が私を迎えた。飛行機から足を踏み出して直ぐに感じた。蒸し暑い。ひどく蒸し暑い。名古屋の蒸し暑さも比べ物…

カルカッタへの準備

リクシャーを拾って空港行きのバスが出ているターミナルに向かった。そこは近郊だけでなく、長距離の色々なバスが出ていて、どこに行けば空港行きがあるのかさっぱり分からなかった。どうやって見つけようかと考えていると、おじさんが寄ってきて教えてくれ…

旅先の勘

チャンドニー・チョウクはメインバザールに車道がついたようなものだ。服屋、雑貨屋、食堂などが並ぶ。どの店も小さい。小さな店に沢山置こうとするから、服なんかは二段、三段、四段と上に上にとつり上げられている。店が並ぶ中に寺院もあって、入り口前で…

ココナッツ

ラール・キラーは赤い城という意味だ。アグラ城と同じで赤砂岩でできている。しかし、油断をすればすぐに割り込まれてしまう混雑した売り場から切符を奪い取るように買って入ってはみたものの、特に何があるわけでもない。時間は二時を回っていた。暑さと空…

スラム

汚染された砂と分かると、舞う土埃が気になってきた。しかし、私は一時的な通過者に過ぎない。スラムの人々はこの埃の中で暮らしているのだ。痩せた牛が池の水を飲んでいる。人はその牛の乳を飲み、肉を食べるのだろう。子供が泥土にまみれて遊んでいた。身…

精悍な顔つきの人リクシャー 運転手

ラージ・ガートは独立の父、マハートマ・ガンジーが荼毘にふされたところだ。礼儀として入口で靴を脱がねばならない。そこには男が座っていて勝手に靴を見張っている。彼の目の前に靴を置けば金をとられる。これは彼の仕事である。でも、私には必要ない。だ…

少年の大きく澄んだ目

フィリピンに行ったのはピースボートのツアーだった。ピースボートは、1983年に日本の戦争の跡を見て回ることから始まったNGOで、国際交流のツアーを主催する。そのフィリピンツアーでは、日本のODAによる開発で環境破壊が進んでいる地域や、孤児院、日本人…

諦めた目

昨日行き損ねたラージ・ガートに向かった。リクシャーが信号で停まると、物乞いの親子が近づいてきた。少年が左側から、乳飲み子を抱えた母親は右側から手を差し延べた。少年は大きく澄んだ目でしっかりと私を見つめた。母親は視線が定まらず、周囲を見回し…

フルーツジュース屋

シルバーパレスに別れを告げて、メインバザールに出ると、また無性にフルーツジュースが飲みたくなった。小気味よくミキサーをかけるおじさんは、私が近づいていくと、‘まあ中に入れよ’と招き入れた。中は三人入れば一杯になってしまう狭さだ。すでにいた二…

帽子を持って行った少年

「両替はできたか」 KUMAR が私を迎えた。 「ああ、大丈夫だ。ありがとう。金も返すよ」 「リクシャーは幾らで行った?」 「教えてもらった通り、五十ルピーで行ったよ」 二人で雑談をしているときに、一昨日深夜まで待っていてくれた少年が来た。日本でいえ…

宣伝男

メインバザールに戻った頃には、ニューデリーはすっかり強烈な暑さを取り戻していた。喉はすぐにからからになる。そこでずっと気になっていたフルーツジュース屋に入った。暑い国に行くとこのフルーツジュースがたまらなく、うまい。タイ、マレーシアでは屋…

アショーカホテル

日曜の朝の道は空いている。リクシャーは軽快にとばした。バイクタクシーも気持ち良くとばしている。バイクタクシーは客をバイクの後ろに乗せるタクシーだ。つまり、ただの二人乗りである。運転手にはターバンを巻いたシーク教徒が何故か多かった。その宗教…

クマール

翌朝はまず両替をしなければならなかった。昨日の両替では金額が小さすぎて、カルカッタへの移動を考えると今日使う分には足りそうになかった。しかし、その日は日曜日だった。でかいホテルでないと両替できないだろう。フロントに行ってネパーリーに聞いて…

混沌

ニューデリー駅に着き陸橋を登った。踊り場には目の見えない笛吹きがいた。子供の頃、駅の地下道で、戦争で足を失った人がハーモニカを吹いていたのを思い出した。笛吹きはまだ若く、痩せてはいたが弱ってはいなかった。私は写真を撮りたくなった。せめても…

歩いて見える風景

こうなったらついでにメインバザールまで歩いてしまおう。どんどん思わぬ事態となってきたが、歩くのも面白いだろう。 そうとなれば、まずは現在地を確かめねばならない。地図を見ると、デリー門を左に曲がれば後は道なりでメインバザールに着く。デリー門は…

ガンジーの家(Gandhi Smriti Museum)

しかし、ガンジーの家に着いてみても、すでに門は閉まっていた。中を覗けば最後の客達がガイドに連れられて庭を歩いている。来るつもりは無い所だったが、このままで帰りたくはなかった。今日一日が切符探しで終わってしまう。それに、入れないとなると余計…