目的地へ行こう

まだたどり着いていない人のブログ。

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スラム

汚染された砂と分かると、舞う土埃が気になってきた。しかし、私は一時的な通過者に過ぎない。スラムの人々はこの埃の中で暮らしているのだ。痩せた牛が池の水を飲んでいる。人はその牛の乳を飲み、肉を食べるのだろう。子供が泥土にまみれて遊んでいた。身…

精悍な顔つきの人リクシャー 運転手

ラージ・ガートは独立の父、マハートマ・ガンジーが荼毘にふされたところだ。礼儀として入口で靴を脱がねばならない。そこには男が座っていて勝手に靴を見張っている。彼の目の前に靴を置けば金をとられる。これは彼の仕事である。でも、私には必要ない。だ…

少年の大きく澄んだ目

フィリピンに行ったのはピースボートのツアーだった。ピースボートは、1983年に日本の戦争の跡を見て回ることから始まったNGOで、国際交流のツアーを主催する。そのフィリピンツアーでは、日本のODAによる開発で環境破壊が進んでいる地域や、孤児院、日本人…

諦めた目

昨日行き損ねたラージ・ガートに向かった。リクシャーが信号で停まると、物乞いの親子が近づいてきた。少年が左側から、乳飲み子を抱えた母親は右側から手を差し延べた。少年は大きく澄んだ目でしっかりと私を見つめた。母親は視線が定まらず、周囲を見回し…

フルーツジュース屋

シルバーパレスに別れを告げて、メインバザールに出ると、また無性にフルーツジュースが飲みたくなった。小気味よくミキサーをかけるおじさんは、私が近づいていくと、‘まあ中に入れよ’と招き入れた。中は三人入れば一杯になってしまう狭さだ。すでにいた二…

帽子を持って行った少年

「両替はできたか」 KUMAR が私を迎えた。 「ああ、大丈夫だ。ありがとう。金も返すよ」 「リクシャーは幾らで行った?」 「教えてもらった通り、五十ルピーで行ったよ」 二人で雑談をしているときに、一昨日深夜まで待っていてくれた少年が来た。日本でいえ…

宣伝男

メインバザールに戻った頃には、ニューデリーはすっかり強烈な暑さを取り戻していた。喉はすぐにからからになる。そこでずっと気になっていたフルーツジュース屋に入った。暑い国に行くとこのフルーツジュースがたまらなく、うまい。タイ、マレーシアでは屋…