目的地へ行こう

まだたどり着いていない人のブログ。

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スルタン・サラフディン・アブドゥル・アジズ・シャー・モスク

その日は朝からうまく行かなかった。マラヤ大学に行くためのバスに、すんでのところで乗り遅れ、二時間も待った。モスク行きのバスターミナルも最初間違えた。一度は案内所で確かめたのだが、なかなか来ないのでもう一度念のために聞いてみると、違うバスタ…

タージマハール

子供の頃一番好きだった建造物は、タージマハールだった。歴史の教科書で初めて写真を見たとき“なんて美しいんだ”と感動した。美しいなんてことはあまり感じないほうなのだが、タージマハールは心底美しいと思った。そして、一度は本物を見てみたい、そう思…

シヴァは味方か

昼飯を食べはじめたときは、すでに二時をまわっていた。出発してからもう四時間が過ぎている。高級車の方はあいかわらず不調で、シヴァはせっせとラジエーターに水を入れた。道の先に町らしきものは全然見えない。タージマハールをゆっくり見ている時間はあ…

ひっくり返ったトラック

何にもない所にひたすら延びている道を、車は時速六十~七十キロメートル位で走った。その私たちを‘HORN PLEASE’と後部に書いたトラックがどんどん抜き去っていく。今やホーンを鳴らされ脇に避けているのは高級車の方である。抜いていくトラックは全て完全な…

シヴァ

運転手は小柄で痩せた男だった。「名前は?」と聞くと、黙って首を振った。(当時)歳は私と同じ二十七歳。体つきは子供のようだが、口髭を生やした顔は歳相応に見える。名無しの彼は、少しふっくらさせればシヴァ神に見えないこともない。だからシヴァと呼…

銃口をつきつけられた

荷物を置き、チケットを買いにすぐに駅へ行くことにした。短い期間で、ヴァラナスィー、カルカッタに行くためには、今日中にタージマハールを見ておきたかった。リクシャーを拾い、メインバザールの人込みをするすると走り抜けるとすぐに駅が見えてきた。し…

値切り交渉

次の日は九時位に起きた。といっても朝早くから外は騒がしく、何度も眠りから引きずり出されそうになったのだが。空港からバスで一緒に来たフランス人が、メインバザールはうるさくて泊まりたくない、と言っていたがやはりその通りだ。アジア諸国の朝は早い…